鬼平犯科帳

盗賊改方役宅

主な登場人物の説明です。
例えば「唖の十蔵(一)」とあるのは、第一巻の「唖の十蔵」という話で初登場したという意味です。

長谷川家

長谷川平蔵
…若いころは「本所の銕」などと呼ばれ、無頼のごろつきを束ねて、端にも棒にもかからない暴れぶりだった
盗賊改方の長官として、凶悪な盗賊は容赦なく切り捨てるが、
盗みの三ヶ条を守るような本格の盗賊などは、場合によっては目こぼしにしたり、
見込みがあるものは説き伏せて密偵として働かせることもある

久栄(妻)
…むかし本所では、屋敷が長谷川家の隣にあり、家同士の親交も深かった
妻になったいきさつは「むかしの男(一)」に書かれている

辰蔵(長男)
…剣術の稽古よりも女遊びのほうが盛ん
少し頼りない

初子(長女)
清(次女)
お順(養女)「唖の十蔵(一)」

三沢仙右衛門(従兄)
…平蔵の実母、お園の実家である巣鴨の百姓・三沢家の現当主

与力

佐嶋忠介
天野甚蔵

同心

木村忠吾「谷中・いろは茶屋(二)」
…ひょうきんで、おっちょこちょいなところがある
色白でぽってりしているところが「うさぎ饅頭」に似ているというので
「うさ忠さん」などと呼ばれてからかわれたりする

沢田小平次
…小野派一刀流の剣士で、平蔵も認める腕前
木村と同様の若い同心だが、その性格は正反対らしく、日々剣術の稽古に励んでいる
「剣客(六)」では彼の容貌が次のように記述されている
―大きく張り出た額の下へ深く凹んでしまっているため眉毛と密着したかのように見える切れ長の両目を―

山田市太郎
酒井祐助
小柳安五郎

剣客仲間

岸井左馬之助「本所・桜屋敷(一)」
…かつては高杉道場で平蔵とともに「竜虎」と呼ばれていた
剣客らしく、不器用で純粋なところがある

井関録之助「乞食坊主(五)」
…左馬之助と同じく、高杉道場の同門の友
父親が吉原の遊女と心中して家が取り潰しになり、現在は乞食坊主をしている

密偵

…元は盗賊だが、捕らえられた後、改心し、現在は平蔵のために密かに働いている
おまさに限っては、自ら密偵になることを望んで名乗り出てきた

小房の粂八「唖の十蔵(一)」
…最も古株の、頼りになる密偵
深川・石島町の船宿〔鶴や〕の亭主もつとめている

相模の彦十「本所・桜屋敷(一)」
…平蔵が銕三郎を名乗っていたころの取り巻きの無頼の一人
今も平蔵を「銕つぁん」と呼び慕っている

おまさ「血闘(四)」
…平蔵が銕三郎を名乗っていたころ、厄介になっていた居酒屋〔盗人酒屋〕の主〔鶴の忠助〕の娘
当時十か十一歳だったおまさは、平蔵に淡い恋心を抱いていた

伊三次
…役宅に住み込んでいる若い密偵
同心・木村忠吾とは仲のいい友達

大滝の五郎蔵「敵(四)」
舟形の宗平「敵(四)」
平野屋源助「穴(十一)」
馬蕗の利平次「熱海みやげの宝物(十三)」

昔馴染み

三次郎
…本所二ツ目の軍鶏鍋屋〔五鉄〕主人
昔は銕三郎こと平蔵とつるんで、いろいろと悪さをしていた

お熊「寒月六間堀(七)」
…弥勒寺門前の茶店〔笹や〕女主人
平蔵が銕三郎を名乗っていたころ、酒を飲ませてやったり、泊めてやったりと面倒を見ていた
現在は七十歳を超え、男とも女とも分からない凧の骨のような塩辛婆になっている
平蔵を「銕つぁん、銕の字」などと呼び、遠慮のない態度をとる
何かと平蔵の役に立つことも多い

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