鬼平犯科帳
鬼平のすゝめ
近頃は本(漫画以外)を読む人が減っているそうです。
TV、漫画、ゲームは大いに結構、オレも大好きですが、
それらに負けない魅力が、この小さな文庫本の中に溢れています。
鬼平犯科帳って何?
池波正太郎先生著、実在の人物・長谷川平蔵の火付盗賊改方長官としての活躍を綴った時代小説。
はじめは、平蔵の一生を描くつもりでいたところ・・・
・・・いろいろな面から彼の人生を、盗賊たちや、
彼のあつかったであろう犯罪事件を通して
のぞき見ることにしたのである。
(池波先生のあとがきより)
鬼平の魅力とは?
個性的な登場人物
何と言っても、平蔵という人物の人柄にあります。
「なんともいえぬお人だ。怖くて、やさしくて、おもいやりがあって、あたたかくて……そして、やはり、怖いお人だよ」
とは、「用心棒」で平蔵と知り合った高木軍兵衛が平蔵について尋ねられたときの言葉です。
平蔵以外にも、彼の家族、盗賊改方の与力や同心、密偵、盗賊、そして町人など、多彩な人物が登場します。
主な人物の説明は、下の「盗賊改方役宅」へ。
生活感溢れる描写
鬼平の中には、当時の人々の生活に関する描写がたくさんあります。
特に食べ物に関する記述が多く、平蔵や密偵たちが蕎麦屋や茶店などで食事をする場面もよく出てきます。
こういった記述があることで、彼らの存在をぐっと身近に感じることができると思います。
一作ずつの連作形式
丸一冊にわたる長編もありますが、基本的には一作ずつの連作形式で、一冊に七本ほどの話が入っています。
そのため、短い時間でも手軽に読むことができます。
本を読むのが苦手な人でも(オレも含めて)、苦もなく読める量だと思います。
池波正太郎先生の文体
特徴的であると評される池波先生の文体ですが、オレはとても読みやすく感じます。
特徴を挙げるとすれば、文章の途中に、会話や、心で思ったことなどが挿入されたり、特徴ある言葉を〔〕でくくったりでしょうか。
技巧に凝っているわけではなく、文章全体は自然で簡潔で、流れるように読み進められます。
鬼平の世界
鬼平の気に入った一節などを持ち出して、その魅力を語ってもいいのですが、
これから読もうという方の楽しみを奪ってしまうことになります。
ですから、鬼平を知らない方、興味をもたれた方が、読む際に助けとなるような、
ちょっとした情報などを掲載したいと思います。
盗賊改方役宅
主な登場人物の説明です
甘味処
話の中に登場するお菓子を書き出してみました
剣術道場
平蔵の剣技の描写についての小話
お熊の茶店
各巻の気に入った話について星をつけて簡単に解説しています
オレは鬼平を全巻読破していません。
新しいものを読みたいのは山々ですが、読みきってしまうのが勿体無く思ってしまいます。
何度読み返しても面白いという事もあります。
それでも少しずつ買って、現在二十二巻まで揃いました(全二十四巻)。
ここでは文庫本の鬼平についてのみ書きましたが、
映像の鬼平もお勧めです。
鬼平役の中村吉右衛門さんを初めとして、粂八役の蟹江敬三さん、おまさ役の梶芽衣子さんなど、キャストも豪華で見ごたえがあります。
特に中村吉右衛門さんは、まさに鬼平その人といった、はまり役だと思います。
ビデオがたくさん出ていますので、ぜひレンタルしてみてくださいね。
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