「Mit mir」 page 7

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しばらく時間が流れ、カルロは 自分の髪を撫でていたミハエルの手が止まっていることに気がついた。
ゆっくり顔を上げると、ミハエルは何事も無かったかのように、無邪気な顔で再び眠りについている。

「ったく・・・」

カルロは体を浮かせ、その下の小さな体をふわりと持ち上げた。
先ほどまでとは逆に、ミハエルを自分の胸に抱く。

「俺は抱かれてるより、抱いてる方が好きなんだよ!・・・それに・・・」

バツが悪くて、思わず言葉が詰まる。
自分がミハエルに言おうとしていた事を、先に言われる形になった。
いつもこんな具合で調子を狂わされてしまう。

けれど、思う。

自分がミハエルの孤独をこれほどまでに真摯に感じ取ることが出来るのは、
ミハエルが、まるで心を見透かすほどに、苦しい胸のうちを理解してくれるのは、
きっと・・・

カルロは顔が急速に紅潮するのを感じ、それを見られまいと、ミハエルの華奢な体を両腕で包み込み、胸に押し当てた。

カルロの腕の中では、すっかり夢の中のミハエルが、安らかな微笑みを浮かべていた。


Das Ende.
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「Mit mir」・・・With me(独)