ブレットは手を伸ばすと、豪の柔らかな くせっ毛をクシャクシャと撫でた。
豪はくすぐったそうに、けれど、おとなしくしている。
まいったな・・・
そんな目で見つめられたら、離れられなくなる。
ブレットの理性が揺らいで、豪の体にかかる重みが、じわりと増した。
ピーッ、ピーッ
小さいながらも鋭い電子音が、突然、二人の間に割って入った。
ブレットはゆっくり目を閉じ、呟いた。
「タイムリミット」
ためらうことなく体を離すと、ぽかんとしている豪を抱き起こして、髪や服を軽くはたいてやる。
「午前0時・・・デートの時間は終わりだ、ゴー」
ブレットは公園に来たときに、腕時計のアラームをセットしていた。
豪といると時間を忘れてしまうことが分かっていたから。
そして、それを『わざと』忘れることが出来ないことも・・・。
「ふわぁ〜〜あ・・・ねむー・・・」
眼の下にクマを作った豪が、今日これで10数回目の大あくびをした。
昨日ブレットと別れた後も、余計に眠れずに、明け方までマグナムの改造に明け暮れていたのだった。
それでも、豪の顔は にやけて緩みっぱなしだった。
ブレットが別れ際に、額への甘いキスと一緒に一つの約束をくれたから・・・
放課後の鐘が鳴ると同時に学校を飛び出すと、豪は一目散にブレットの待つ公園へと 駆けて行った。
|
|
おしまい!
|