ブレットの髪が、くすぐったい。
ブレットの息が、くすぐったい。
ここからじゃ顔が見えないや・・・もう、ねちゃったかな?
「・・・ゴー」
「ん?何だ?」
「重くないか?」
「んー、ちょっとな・・・でも、ヘーキだよ」
「・・・ゴー」
「・・・何?」
「・・・なんでもない」
「何だよそれ、変なのー」
俺の胸に顔を押し当てたまま、ブレットは動かない。
耳をぴったりつけて、俺の心臓の音を聞いてるみたいだ。
今まで見てきた、どのブレットとも違う。
初めて見るブレット。
ブレットって、何だろ・・・
ヤな奴なのに、いい奴だし、
一緒にいるとドキドキして落ち着かないのに、安心したりもする。
ブレットって・・・
次の日から、ブレットはいつも通りだった。
いつもみたいに笑って、いつもみたいに自信満々で。
それから、しばらくして・・
ブレットは凄く嬉しそうに、
『マムが昨日、退院した』
って、こっそり教えてくれたんだ。
|
|
End.
|