「Lupo che non ha Nome」 page 2

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アイツは突然 俺の目の前に現れた

一年位前、どこかのレース場の観客席
初めての出会いは、お互い観戦者同士としてだった

ミニ四駆の選手権大会をやっていたが、内容はもう忘れた
ただ・・・アイツだけが今も鮮明に、脳裏に焼き付いている

長い金色の髪
抜けるように白い肌
愛くるしい笑顔

まるで天使のようにキレイなアイツ
俺とは全く違う世界の住人だと、瞬間に悟った


アイツは俺の事を何にも知らないで
俺のことを誘って
無邪気に俺を振り回した

うんざりして見せたが
悪い気はしなかった

ただの気まぐれの関係で
きっとすぐに壊れてしまうから

この先、決して手に入れることは出来ないものを
一時だけでも傍においてみたいと思った


俺が決して手に入れることが出来ないもの
それは遠い昔になくしたものに似ていて
ずっと、ずっと捜し求めていたもの


「ぼく・・・・ミハエル」

俺がアイツの頭を軽く撫でたとき
アイツは小さな声で、自分の名前を言った

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「Lupo che non ha Nome」・・・Wolf who has no Name(伊)