そのすぐ後・・・
アイツのチームのメンバーが走って来て
俺の手から必死でアイツを奪い取った
アイツは俺の事を知ってしまった
俺の手が、どんなに汚れているかを
魔法が解けるのは思っていたより早くて
そして、終わりは呆気なかった
終わったはず・・・だった
「知ってるよ、そんな事」
思いもかけないアイツの言葉
アイツは最初から俺の正体を知っていて、
それでも、あんな風に俺に接したのか?
この俺に微笑みかけ、
そして、この手をとったのか・・・?
アイツは、ただのお坊ちゃんじゃない
頭もいいし、レーサーとしての実力だって高いだろう
だから、なおさらアイツの真意が分からない
理解できなかった
「ぼくにも分からない・・・ただ」
「観客席で見かけた君の目が、凄くキレイで・・・」
「さみしそう だったから―――」
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