「俺に会いたい・・・でも、嫌われたくないから会えない・・・・・か」
「結構、可愛いところあるじゃないか」
豪の小さな胸を不安にかき乱してしまった事は心苦しいが、
鈍いとばかり思っていた豪が、そんな感情を抱いてくれた事は、思わぬ収穫といえる。
しかし豪は、自分が抱いた感情の本質を理解してはいないだろう。
ゴー・セイバ
その姿を心に思うだけで、体が火照り、奥底が疼く。
自分でも持て余してしまう、この感情を、彼はいつか、理解してくれるだろうか。
同じような感情を、その胸に抱いてくれるだろうか。
彼と出会って以来、幾つもの時間を重ねてきた。
明確な答えは、まだ、得られてはいないけれど・・・
口元に僅かに笑みを浮かべて、ブレットは部屋を後にした。
星馬家を訪れてみると、そこに豪の姿はなかった。
烈の話では、自分が戻った時には、すでに豪はいなかったという。
行き先の見当はつかないが、あてもなく出かけたのだろうから、きっと近くにいる。
そう思って あちこち回っていたブレットは、やがて公園で足を止めた。
日が大きく傾き、人気の絶えた公園。
少しペンキのはげた小さなベンチに、小さな少年が、ぼんやりと座っている。
「Hi!」
声をかけると同時に、ブレットは後ろから腕を回して、豪をぎゅっと抱きしめた。
静かな公園だが、心ここにあらずな豪の背後に気づかれずに回るのは、そう難しいことではない。
「ブレット??」
突然の事に、豪は目を白黒させている。
愛らしいその様子に、ブレットは回した腕に力をこめて、豪の柔らかな髪を自分の頬に押し当てた。
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