「・・・帰れ」
「やだ・・・よ」
ブレット・・・怒ってる。
ブレットは怒っても俺を殴ったりしないけど、でも、だから、余計に怖い。
嫌われるのが・・・会えなくなるのが怖い。
「・・・ゴー・・・さっき、『自信たっぷりって顔してくれないと調子狂う』って言ったよな」
「え?・・・う、うん」
「俺だって・・・お前の前ではいつも完璧な俺でいたいさ、弱い部分なんて見せたくない、こんな顔・・・」
「・・・・・・」
「だから・・・だから今日は、帰ってくれないか・・・」
「俺、マグナムがどんなに負けてたって、目そらしたりしないんだ」
「・・・・?」
「傷だらけになったって、ボロボロになったって、俺、絶対、目そらしたりしない」
「だって・・・マグナムは・・・俺の大事な友達だから・・・」
なんで・・・なんで涙なんか出てくるんだろ・・・
泣きたくなんてないのに・・・涙があふれて止まらない。
まだ話の途中なのに・・・うまく喋れない。
「・・・から・・・俺・・・ブレットからも目・・・そらさないよ・・・」
「・・・ゴー・・・」
「どんな顔してたって・・・お前はお前だろっ!」
もう、わけわかんなくなって、頭真っ白になって・・・
その後のことはよく覚えてない。
気がついたら・・・俺はブレットに抱きしめられてた。
あったかくて・・・いい匂いして・・・
ブレットは、何度も何度も、俺の髪を撫でてくれてる。
「俺のそばにいてくれるのか・・・?ゴー・・・」
「・・・・・・ん」
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