「Dolci Giorni」 page 4

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頭がぐるぐる回る・・・それとも、俺の周りが回ってんのか?
腹一杯って経験は初めてだが、あんまりいいもんじゃねーかもな。

結局ルキノは、山のように出された料理を全て平らげた。
明日の食費のめども たたないのに、目の前にある料理を食べずに放っておくなどということは、到底出来なかったのだ。
けれど、食べなれない量を一気に詰め込んだ彼の腹は、一杯どころの状態ではなかった。

真っ青な顔で苦しそうにしているルキノを見て、藤吉が心配そうに寄ってきた。

「だ、大丈夫でげすか?何だか顔色が悪いでげすよ」

ルキノはコップの水を一気に飲み干した。
勢いをつけて立ち上がると、藤吉に背を向けて歩き出した。

「何でもねーよ!メシも食ったし、俺は帰るからなっ・・・」
「ルキノ?!」

フラフラと歩いていたルキノの体がぐらりと傾き、大きな音を立てて倒れこんだ。
藤吉は仰天して、急いで駆け寄って声をかけたが、ルキノはピクリとも動かない。

「ルキノ!ルキノ!!・・・ど、どうしようでげす―――!」



まるで日溜りの中にいるような、空をフワフワと漂っているような・・・そんな夢を見ていた。

ゆっくり目を開ける・・・そこは、見知らぬ豪華な部屋の、これまた豪華なベッドの上だった。
ルキノは体を起こすと、きょろきょろと周りを見まわす。まだ状況がよく把握できない。
どうして俺は、こんなところにいる・・・?

ふと視線を落とすと、ベッドの脇で眠り込んでいる藤吉の姿があった。

「そう・・・か!俺は確か、あの料理屋でぶっ倒れて・・・」
「ん・・・・」

その時、藤吉が目を覚ました。
寝ぼけ眼でルキノの姿を捉えると、ホッとしたように微笑んだ。

「よかった・・・死んだのかと思って心配したでげす!」
「食い過ぎくらいで死んでたまるかよ!・・・それより、ここどこだ?」

そこは藤吉がローマでいつも泊まっている一流ホテルのスイートルーム。
ルキノが倒れた後、藤吉は大慌てで彦佐を呼びつけ、彼をここに運んだのだ。


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「Dolci Giorni」・・・Sweet Days(伊)